余白 エモさは、段取りでつくれる。

会話の間で、うまい人は「聞いている」を出している

沈黙が怖くて話題を連発していた頃は、相手が緊張していました。間で何をしているか、ではなく、間で「聞いている」ことをどう出しているか。質問の返しを変えたら、沈黙の質が変わりました。

設計メモ
場面初回・2回目所要変わらない予算変わらない難易度ふつう

ねらい沈黙の質を「待っている」から「聞いている」に変える

沈黙が怖くて、話題を連発していた時期がありました。

会話が途切れると、自分のせいだと思って、すぐ次の話題を探す。
ネタを出して、出して、出す。相手が返すより先に、次を用意している。

あとから思うと、あれで相手はずっと受け身でした。話題が次々来るので、返すだけで精一杯。そのうち、会話というより流れ作業になっていました。

「間」で何をするか、より、どう見えるか

沈黙の話をすると、たいてい「間を持たせましょう」という話になります。間を恐れない、埋めようとしない、というやつです。

でも、間を埋めないだけだと、黙っているだけの二人になります。沈黙そのものに意味はなくて、その間に何が流れているかが問題でした。

私が変えたのは、話題を出さないことではなく、間に入れる動作です。

変えたのは「聞く」の返し

昔の自分は、相手の話に対して、

  • 「すごいですね」
  • 「そうなんですね」
  • そしてすぐ、自分の話を挟む

この三つでした。とくに最後の「自分の話を挟む」が多かったです。相手の話に共感したつもりで、自分の体験を出していました。

今は、その返しをこう変えています。

  • 相手が話したことを、最後まで聞く
  • 区切りがついたら、「それって、どういうことですか」と聞く
  • あるいは、相手が話した言葉を、そのまま返す

「北海道出身なんです」
「北海道出身なんですね。それで、こっちにはどういうきっかけで?」

これだけで、相手はまた話せる。話題をこっちが用意する必要が、消えます。

間に入れる、三つの動作

具体的には、間が来たら次を出す代わりに、こうしています。

  • 相槌を、目で打つ。言葉より先に、目を合わせて「聞いてるよ」を出す
  • うなずきを、相手が話している間に一回入れる。話し終わりを待つのではなく、途中で一回
  • 聞き返す。「それで?」「どうしたの?」このひと言で、相手の話が続く

これらはどれも、自分から話題を出していません。出しているのは「聞いている」という信号だけで、話の主導権を相手に返しています。

沈黙の質が変わった

聞き方を変えると、沈黙の意味が変わりました。

前は、沈黙=「話題が切れた」という失敗でした。だから、埋めなきゃ、と焦っていた。

今は、沈黙=「相手が考えている」または「話すのを待っている」になりました。こっちが聞く態勢でいると、相手が先に話し始めることが増えます。

話す側に回るより、聞く側に回る方が、相手は楽なんだと思います。自分ばかり話す人は緊張しますが、聞いてくれる人には心を開きやすい。

聞くための、いちばんの準備

聞き方の技術はありますが、いちばん効いたのは、その場にいる前の準備でした。

初回の前に、その人が何を大事にしているかを、プロフィールから推測して二つだけ覚えておく。仕事のこと、趣味のこと。

「お仕事のほうでは、どういうことを?」と、聞く先があると、最初の沈黙はすぐ消えます。聞くための話題を、自分が持っている必要はない。相手が話せる話題を、一つ覚えていればいい。それだけでした。

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